観戦記②:フォークの使い方に未来を残した由規【ヤクルト1-3ベイスターズ】
観戦記②:フォークの使い方に未来を残した由規【ヤクルト1-3ベイスターズ】
苦しい台所事情のヤク先発投手陣の中でなんとか結果を出してほしい由規。
本日の登板は4回3失点と良いとはいえない結果になってしまいました。
イニング途中での降板ではなかったものの、初回に3四球をだすなど、終始制球の悪さが目立ち、数字以上に悪い印象を残しました。
その結果、早くも厳しいファンからは2軍へ行けとの声もあがっているようです。
しかしながら、酷評を浴びた本日の登板のなかにも微妙にポジ要素がありました。
それは右打者へのフォークの使い方です。
★★★
本日の由規は打者20人に対し77球の投球数でした。
注目したのは昨オフに習得したという記事がでたフォークです。
フォークを投じたのは
大和(第一打席) 2球(7球中)
神里(第二打席) 1球(6球中)
大和(第二打席) 3球(6球中)
倉本(第二打席) 1球(1球中)
神里(第三打席) 1球(4球中)
ということで全8球でした。
状況等も加味しないといけませんが、ザッと特徴としては
・全てが対左打者
・対大和選手には明らかに多投
というところでしょうか。
とりあえず、あらかじめ投げるシチュエーションを決めていたようです。
質はというとコースは悪くないものの、見極められているという印象でした。
★★★
フォークに手を出してくれない要素は打者の頭の中にストレートへの意識がないからです。
ストレートの意識が頭にあればあるほど、リリース時にストレートだと思って振りにいき、途中でブレーキがかかるフォークにバットが止まらず空振りをします。
反対にストレートは怖くないから変化球をマークしようとすればするほど、低めの球をこれはフォークっぽいと思い手を出さなくなります。
つまり、何が言いたいのかというと本日の由規を見て、
「習得したばかりのフォークは打者に見極められていることに象徴されるよう、質が悪くまだまだ使い物にならん。早く2軍へ行け。」
とはいうのはいかがなものかということです。
★★★
確かに覚えたてのフォークの質は悪いかもしれません。しかし、今日のフォークが見極められたのはフォークの質の悪さではなくストレートを意識させられなかったことにあります。
逆に言えば、ストレートを意識させられれば今のフォークでも十分通用すると見ています。つまり、次回以降はフォークではなくストレートを修正すべきです。
ピンチの場面で大和選手に2球連続で見極められ四球、続く倉本選手へは初球の甘いコースをタイムリーにされたフォークへ目がいきますが、前打席まででこの2人にストレートを意識させられなかったことのほうが課題でしょう。
★★★
由規投手は制球力が優れているわけではありません。
したがって、多少コースは甘くても腕を振ってストレートを投げ、打者がとらえた!と思ってもファールになってカウントを稼ぐことができていればOKです。
これが由規投手のバロメーターであり、こうなればフォークも生きます。
しかし、今日は細かなコントロールを気にしていて腕が振れていない印象でした。
故障あけでストレートの質に自信がなく、コントロールで勝負しようと思っていたのかもしれません。
しかし、失点したことで逆に開きなおって思い切り投げたように見えた最後の対桑原選手へはストレート中心の配球でねじ伏せたました。
この攻め方に
右打者へのフォークが決まればということで
まだほんのり明るい未来を見ています。
★★★
次回由規登板時のポイント
「右打者へのフォーク」
以上でーす。