観戦記:左打者への攻めを思考する原 【ヤクルト3-6カープ】
観戦記:左打者への攻めを思考する原 【ヤクルト3-6カープ】
完敗です。カープ強い。。。
ピッチャーが苦しい時にファインプレー3つで失点を防いで耐える。捕手の小さいファンブルを見逃さず、配球を読んで盗塁してくる。
スランプのない守備、走塁で苦しい試合もものにするという強いチームの野球でした。
さて、今日は今シーズンエースへの期待が高まる原樹里についてです。
★★★
本日広島は鈴木、エルドレッドそして前カードで結果を出したメヒア、下水流などは出場させず、左打者をズラリと並べてきました。右対左という相性以上に、シュートを武器にする原にとっては1つやりにくくなったのではないかと思います。
原が得意とする右打者へのシュートは左打者にとっては外に逃げる球になります。右打者には脅威ですが、カープの左打者にとってこのボールは全然怖くなかったのではないかという印象でした。
象徴的だったのは4番松山に先制タイムリーを打たれた場面です。
★★★
場面は初回、先頭の2人に11球費やし、続く丸にも四球、そして松山にも3球続けてボールでノースリー。原は明らかに制球に苦しんでおり、スコアも0-0で5番にもいい打者が控える。つまり松山は無理をする場面ではまったくなく、よほど自信がないと手を出してこないといったような場面でした。
しかし、松山はノースリーから積極的に打ってきてのタイムリーでした。ボールは外のシュート。甘い球ならともかくコースはそれほど悪くありませんでした。しかし、いつでも打てますよというようなきれいなセンター返しで、これは非常に気持ち悪かったです。
★★★
今日の広島の左打者はあらかじめ外に目付けをしておいて原得意のボール球になるシュートに手を出さないことの徹底。それでいてインコースにボールが来ても反応で打てるだろう。というような感覚ではなかったかと思います。
実際、外の見極めはよくできていて甘いコースだけ捉え、かつインコースへのボールもミートできていました。
要因の1つは原にとって左打者のインコースをつくボールがほぼスライダーであったことです。外のシュート系に目付けをしている中で放っても反応ができるほど、今日は精度がよくありませんでした。
こうなると結論ですが、緩急をつけてタイミングを外すことで有利をとっていくことが大切です。今日の原は時折そのチャレンジをしていました。2打席目の田中に2球連続で投げた緩いカーブです。1打席目に捉えられていて、何か攻め方を変えないと、と思っての手だったと思いますがよかったと思います。
※ちなみに3打席目は決め球に2球連続でそれまで使っていなかったフォーク。この辺にも試行錯誤がうかがえました。
★★★
今日の苦しいピッチングは質の高い左打者をズラリと揃えられるカープの選手層がすごいという点もあります。
また、中盤はスライダーの精度が改善したのでグッドピッチでした。ただ対左のときの生命線であるスライダーの調子の悪くなったときのオプションをどうするかというのは
今後チームのエースとなる原にとって課題になるのではないでしょうか。
次回登板時の観戦ポイント
「緩急」
以上でーす。